映画「ドライブ・マイ・カー」ロケ地・広島に住んでいる村上主義者が観た感想

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映画「ドライブ・マイ・カー」ロケ地・広島に住んでいる村上主義者が観た感想 雑記

みなさん、こんにちは!
ころみ♪(@koromiiiii)です

今日は村上春樹原作・濱口竜介監督の映画「ドライブ・マイ・カー」の感想を書きます

わたくし…ゴリゴリの村上主義者なんです

春樹さんの作品はあらかた買って読んでいます

「ドライブ・マイ・カー」は好きなお話なので、公開前からすっごく楽しみにしていました

しかも全体の3分の2は私が住んでいる広島県内で撮影されたと言うじゃあないですか!

絶対観たい!!

劇場へ足を運ぶ気満々だったのですが~

公開当時、中心部での上映館がほとんどなくて

我が家からすごく遠いところ、しかも数が少なくて

唖然としましたよ…

おまけにコロナ自粛のピーク時…

泣く泣く諦めていました…

 

が!ゴールデン・グローブ賞、受賞をきっかけに、我が家から行きやすい市内劇場での再上映が始まりました!

おかげで観ることができました

良かった~~!!

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全体的な感想

好きな作品の映像化は自分の理想のような…脳内自動再生されていた映像…と比べてしまい、がっかりすることが多々ありますが…

この作品に関しては大丈夫でした

設定や細かいところが変わっていたけれど、物語の肝心なところがぶれていなかった

3時間という上映時間でも中だるみする事もなく、長さを感じることもなく

まとまっていたと思います

観て後悔した…なんてことはありませんでした

ただ…ぶっちゃけ言いますが…

映画と小説では表現方法が違うので比べる事は全く持っておかしいけれど

物語としては原作の方が好きです

原作は数ページで映画3時間分の感動が味わえるんです

短編集『女のいない男たち』に収録されています

 

でも映画は映画で素晴らしい作品だと思いますよ!

映画は原作に肉付けされた脚本でよりわかりやすくなっていたと思います

では詳しく感想書きますね~

直接的なネタバレはありませんが、少しも情報を入れたくない方、まだ観られていない方はお気をつけくださいね

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ロケ地が気になって…

これは広島在住者だからだと思うんだけど…

ロケ地が気になって内容がすんなり入ってこなかったです 笑

わ~!あそこだ!

おお~あんなところでロケしてたのか

うんうん、あそこは雰囲気合うよね!

私もここドライブしたわ~

ええ??うちの近所じゃん!!!!

…などとシーンが変わるたびに思っちゃって集中できませんでした 笑

例えば…高槻さんが泊ってたホテルは「グランドプリンスホテル広島」なんですが

私も泊ったことありまして

あそこはお風呂が良いんですよ~

瀬戸内海を見ながら入ることができる展望露天風呂がめっちゃ気持ちよくて

家福さんに送ってもらった後、高槻さんも入るのかな~って想像したり 笑

公式サイト | グランドプリンスホテル広島
【公式サイト】広島観光にはグランドプリンスホテル広島-ベストレート保証-当サイトでご案内する宿泊料金が、ベストレート料金...

途中から、これはイカンと思ってなるべく人物やストーリーに集中しました

ドラマや映画のロケが多い東京なんかにお住いの方は普通の事だと思うんですが 笑

広島で村上ワールドが展開されている…

ファン的にはとっても嬉しい事でした!

2回目観たらもっと落ち着いて堪能できそうです

原作との違い

映画では原作と違う箇所がいくつかありました

私が気になったところです

車の色

公開前のポスター見た時から思ってたんだけど…

原作と車の色が違うんですよね

私は車に興味がないので全然詳しくないのですが

原作では車の色が黄色だけど、映画では赤なんですよね

車は割と重要な役割だと思っていたので(オープンカーや黄色を選ぶ人柄とか想像したり)なんでかな?と疑問でしたがこちらで監督がお答えになっていました

カンヌ4冠『ドライブ・マイ・カー』原作から車の色を変えた理由は?濱口竜介監督が秘話を明かす|シネマトゥデイ
第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で日本映画初となる脚本賞ほか4冠に輝いた映画『ドライブ・マイ・カー』(8月2...

以下抜粋です

物語の中心は車のなかの会話。
「僕はできるだけ(アフレコではなく)撮影現場の声を使いたいと思っていたので、オープンカーだとノイズがすごくて声が撮れない」と屋根付きになったことを明かす。
さらに、色が赤色に変更したことについては「日本の風景のなかで車が走り抜けることが、作品の一つの核になると思っていました。
黄色というのは自然の緑と色が近く、風景に溶け込んでしまう。
赤色なら車が目立つと思った」と説明。

出典元:カンヌ4冠『ドライブ・マイ・カー』原作から車の色を変えた理由は?濱口竜介監督が秘話を明かす

なるほど、納得です~

短編集『女のいない男たち』収録作品の要素

ストーリーは「ドライブ・マイ・カー」だけではなく収録されている短編集『女のいない男たち』の「木野」「シェエラザード」の要素も取り入れられてました

なかなか渋くて好きな短編集です

セリフも「村上テイスト」感じました

ここに違和感ある方おられるようですが、私的には大丈夫でした

あんな風にお話しする人、いるかもしれないよね

その他諸々

他にも…

  • 音さん、運転してる
  • 音さんの死因が違う
  • 音さんはもっとミステリアス
  • 家福さん、原作では浮気現場を直接見ていない
  • 子供の死亡年齢が違う
  • 原作には登場しないキャラがでてくる
  • 高槻さんと家福さんの関わり方
  • 家福さんのビジュアル

などなど…細かく言えば原作とは全然違う部分が多々あります

だけど特に気になりませんでした

「ドライブ・マイ・カー」はベースで、物語の本質は原作からぶれていないからだと思います

それではメインキャラに思う感想です

家福さんについて

この物語は家福さんが「正しく傷つくこと」を知るまでのお話だと思ってる

…これ意外と難しいですよね

↓原作を再読した時の感想

私も今まで生きてきて何度かある

あれ?私はあの時傷ついていたんだ…悲しんでも、泣いても、怒っても良かったんだ…

って大体後になってから気づくんですよ

なんでかな 笑

経験上言えるんだけど、正しくちゃんと傷ついておかないと、大なり小なり後からしわ寄せが来ます

家福さんはみさきとの会話やお芝居の稽古などから気づくことができた

良かったですよね~(軽いな)

音さんについて

自分的には音さんに感情移入してしまう

旦那様はかっこいい俳優さん、経済的にも困ってない、自分もやりがいがありそうな仕事をしている

一見幸せそうに見えるのになんでまた浮気をしているのか…

やはり子供を亡くした事はひとつの理由、またはきっかけだと思います

子供を亡くすというのは本当に辛いことです

想像しただけで胸が張り裂けそうになる

二人は(家福さんは一緒に…かな)その悲しみを乗り越えたと思っていたけど…

その時、本当にちゃんと向き合えていたのか

音さんは家福さんと

家福さんは音さんと

自分自身に対しても

家福さんが音さんの浮気現場を見てしまったとき

そおおお~っと引き下がり見なかったことにします

お気持ちわかります…

荒波立てたくないんですよね

だけど…

そういうとこだぞ!

向き合ってくれない夫に当てつけのように?寂しさを埋めるように?浮気する音さん

夫の事は愛している、だから特別でも大切でもない男(自分には向き合ってくれる)と寝る、罪の意識はない

わかる気がします…

映画では音さんが亡くなる前に「話がある」と言っていました

自分の事を正直に話して、家福さんと本当に向き合おうと決意していたのかな…

 

音さん役の霧島れいかさん、好きな俳優さんです

映画「ノルウェイの森」ではレイコさんを演じてました

お声が素敵ですよね~

家福さんと音さん夫婦を思う時、私はくるりの「ばらの花」が頭に浮かびます

二人を彷彿するような歌詞なんです

みさきについて

みさきを演じた三浦透子さん、すごく良かったです

原作のイメージのままでした!

が、濱口監督の脚色が一番ついていたと思います

この脚色によって物語の本質がわかりやすくなったのかな?

わかりやすくなりすぎている…ってちょっと思わなくもない

原作での表現くらいが私的には心地よいです

高槻について

私の中でこの映画のMVPは高槻を演じた岡田将生さんです

車の中で家福さんと高槻が会話する重要なシーンがあるんだけど

この時の岡田将生さんの演技が本当に素晴らしかったです

瞬きをするのが惜しいほど、見入ってしまった

あのシーンを観たいが為にまた観たいと思ってしまうくらい!

村上主義者なら連想するかと思うんだけどこの映画における高槻って「ダンス・ダンス・ダンス」の五反田さん的な人でしたね

実際「僕はからっぽな人間です」と言ってた

あのシーンはからっぽな高槻に音さんが乗り移ったようにも見えました

音さんが家福さんに伝えたかった事…

この物語の一番「要」となるセリフでした

 

私はお芝居をしないので演者さんのお気持ちはよくわからない

淡々とセリフを言うメソッドの利点とか…西島さんのインタビューでどんな効果があるとか読むことはできたけど

演技なのか、ドキュメントなのか 世界を魅了!「濱口メソッド」 | NHK | WEB特集
【NHK】「ドライブ・マイ・カー」でカンヌ映画祭 脚本賞を受賞した濱口竜介監督。俳優の自然な演技を引き出す「濱口メソッド...

実感として感じることはできない

ただ映画の中でもお芝居の中で「奇跡のような瞬間が産まれる」みたいな表現使われてました(うろ覚えですみません)

岡田将生さんのあのシーンは確かに「奇跡のような瞬間」でした

元々大好きな俳優さんだけど、もっと好きになった!

それから家福さんも「高槻側」に行ったかもしれない危うさがあったよね

皮肉にも高槻の言葉やみさきに出会えたことで家福さんはこちら側にとどまることができた

良かったですよね~(軽いんよ)

総評

この映画、観る人によって何を感じるか、どこをどう捉えるか多方面あると思います

私が一番感じたのは…

コミュニケーションって大切だって事

当たり前な事過ぎるんだけど、おざなりにしてしまって取返しつかなくなる場合だってあるんだよね

特に夫婦とか家族とか身近な人に対してこそコミュニケーションは大切かもしれない

他者と向き合うのは怖い

その前に本当の自分の気持ちと向き合わなくてはいけないのはもっと怖い

もちろん、何から何まで白黒はっきりしなくてもよい

そんな事してたら生きていけない

なんならほとんどの事はグレーで良しとしているかも

ただ人生にはとことん向き合わなくてはいけないって時がある

どんなに傷ついても…

どんな結果になろうとも…

そう思います

物語の効能

春樹さんも言ってるけど「物語の効能」って大きいですよね

家福さんの亡くなった娘が生きていれば同年齢のみさき

言葉数は少なくても徐々に心を開いていく二人

「父と娘」だったらこんな感じかな?とお互いが想像する「物語の効能」がある

一緒にタバコをサンルーフから出すシーン、良かったですよね

観ている私だってそうだ

音さんは私だったかもしれない

みさきは私だったかもしれない

春樹さんの小説はそんな風に登場人物に自分を重ねることがしやすいんです

おっとちょっと映画からは外れちゃいました

家福さんのように今となってはどうにもならない事に後から気づく事もある

それでも人は生きていかなくちゃいけない

または、生きていても良いんだと精神をふるいたたせる事だってできる

 

ラストに関しては監督の解釈として受け止めています

終わり方は原作の方が好きです

原作もおすすめ

以上、広島に住んでいる村上主義者が観た映画「ドライブ・マイ・カー」の感想でした

原作の「ドライブ・マイ・カー」は村上作品の中では現実的な作品と言うか…

絵から小さな騎士団長が抜け出してきたり

羊の皮をかぶった男とか出てこないので 笑

とっつきやすいと思います!

原作を未読の方はぜひ読んでいただきたいです

春樹さんの作品は自分の年齢や環境の変化と共に再読しています

新たな気づきや感動が必ずあります

何度も楽しめるのでお得ですよ~笑

 

最後まで読んで下さってありがとうございます!

それではまた!
ころみ♪でした!

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